このページでは、アパート・マンション経営で想定される「リスク6つ」と成功のための「対策5つ」を解説しています。
「人が住む場所」を提供するアパート・マンション経営は、他の土地活用よりもリスクが多め。
- 家屋に関するリスク
⇒家屋の老朽化・災害による家屋の倒壊 - 入居者に関するリスク
⇒家賃滞納・入居者間トラブル - 管理業者に関するリスク
⇒管理業務の不徹底 - 経営全体のリスク
⇒アパートローンの金利上昇・競合の登場による空室の発生
など、さまざまな面でリスクが隠れています。
オーナーには対処できないリスクもありますが、なるべく準備段階でトラブルの芽を潰しておくべきです。
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アパート経営・マンション経営に潜む6つのリスク
<空室リスク>手元に残る収入が少なくなる
「数件先に新築の大型マンションが出来てから、新規入居者が集まりにくくなった」
「新築後10年経ったあたりから、空室率が3割に上がった」
空室が出てしまうと、唯一の収入源である家賃収入が少なくなります。
- 管理費の支払い
- 修繕費の積み立て
- 固定資産税の納税
- アパートローンの返済
などが滞り、赤字になってしまうことも。
アパート・マンション経営最大のリスクです。
空室が出た場合、どれくらい収入が減少する?
■部屋数:10部屋
■家賃:10万円
■満室時収入:1,200万円/年(10部屋×10万円×12ヶ月)
【空室期間・空室数ごとの収入減少額】
空室期間/空室数 | 1部屋 | 2部屋 | 3部屋 |
---|---|---|---|
1か月 | 10万円 | 20万円 | 30万円 |
3か月 | 30万円 | 60万円 | 90万円 |
6か月 | 60万円 | 120万円 | 180万円 |
優秀な管理会社を選んで、入居者満足度を高め、空室を防ぎましょう。
<家賃滞納リスク>家賃が入ってこないのに新規入居者を募集できない
「月10万円の家賃を2か月払ってくれない入居者がいる」
「滞納が3か月続いているので、訴訟手続きを考えている」
このような家賃滞納が発生すると「二重苦」に陥ってしまいます。
家賃滞納の二重苦
- 滞納されている部屋から家賃が入ってこない
- 滞納されている部屋に新しい入居者を募集できない
入居者は法律(借地借家法)で守られているので、無理に追い出せません。
訴訟で解決しようとすれば、半年~1年という時間と数十万円の費用がかかります。
【実例】開き直る家賃滞納者
ここ3か月間家賃を滞納している入居者に困っています。
先日「〇月□日までに滞納分を支払ってください」と書面で通知したのですが、振込の確認が取れず。
話し合いの場を設けて、「△日までに支払いがない場合、退去してもらう」という旨の誓約書(実印付き)を書いてもらいました。
それでもまた、期日までに払ってもらえなかったので、退去を要求。謝るどころか、開き直ってこう言いました。
「退去しろと口頭で言っただけでは、効力はない。裁判所からの命令がない限り、どれだけ滞納しようが強制退去させるのは不可能。
少なくとも判決が出るまで(2~3か月)は住む権利がある。鍵を無断で換えれば、こちらも法的手段に訴える」
一度部屋を貸してしまうと、弱い立場に置かれるのがアパートオーナー。
丁寧に入居審査をしてくれる管理会社を選んで、滞納者をあらかじめブロックしましょう。
<家屋老朽化リスク>家賃を下げないと入居者が集まらなくなる
「新築後10年経ったので、家賃を下げないと入居者が集まらなくなった」
「修繕を怠っていた外壁が地震によって崩れ、通行人にケガをさせてしまった」
アパート・マンションが老朽化すると、家賃を下げないと入居者が集まらないようになります。
新築後5年(新築プレミアム)を過ぎると、2~3%家賃が下がるのは普通。
1部屋平均の賃料10万円、部屋数10のマンションの場合、1年間で合計36万円(10部屋×10万円×12か月×0.03)手取りが少なくなる計算です。
その後も時間の経過とともに家賃は少しづつ下がっていきます。
また家屋が古くなると、以下のような事故にも繋がります。
- マンションの5階から古くなった外壁のタイルが落下してきた
- 錆びていたアパートの階段が崩れてしまった
入居者・通行者にケガをさせてしまうと、故意ではなくてもオーナーの責任になり、重大な場合は刑事責任を問われることもあります。
物件が老朽化するのは仕方ありませんが、計画的な修繕で劣化を食い止めるようにしましょう。
<金利上昇リスク>アパートローンの返済額が多くなり資金繰りが苦しくなる
「10年間上がらないと踏んでいた金利が3年後に1%上昇してしまい、税金の支払いが苦しい」
「甘いローン返済計画を立ててしまったので、修繕費の積み立てが滞っている」
自然災害を除いて、アパート・マンション経営で一番対処しづらいのが、金利上昇によって資金繰りが苦しくなるリスクです。
- 返済期間が長い⇒20~35年
- 借り入れ金額が大きい⇒数千万~数億円
というアパートローンは、金利上昇によるダメージが大きいのが特徴です。
【金利が1%上がると返済総額はどう変わる?】
■借り入れ額:1億円
■返済期間:35年
→ローンを組んだ15年後に金利が1%上がると、総返済額が1,000万円以上高くなる。
金利の動きを予測するのは、金融の専門家でも困難な領域になります。
オーナーにできるのは、金利変動に耐えられる手堅い返済計画を立てることです。
<低品質の管理会社リスク>入居者満足度が低下して空室が発生しやすくなる
「久しぶりに自分の物件にいくと、エントランスにゴミが散らかっていた」
「入居者から”管理会社が給湯設備の交換をしてくれない”と直接クレームが入った」
このようなずさんな仕事をする管理業者は、入居者満足度の低下・空室の原因になります。
経営方式によりますが、アパマン経営における管理業務は業者に任せるのが普通です。
低品質の業者に物件を任せてしまうと、以下の事例のように足を引っ張られるような事態になります。
- 入居者からのクレームが多発して、空室の原因になってしまった
- 建物の外観が清掃されておらず、入居者募集の足かせになっていた
特にオーナーが遠隔地に住んでいる場合は、「久しぶりに物件に行ってみたら、とてもじゃないけど住みたいとは思えない外観に様変わりしていた」ということも。
オーナーの大切な資産を安心して預けられるよう、信頼できる管理会社を選びましょう。
<災害リスク>地震・火災などにより家賃収入がゼロになる可能性がある
「地震によってアパートが倒壊し、経営を続けるのが難しくなった」
「火災が発生してマンションの一室が全焼し、多額の修復費がかかった」
火災・地震・洪水・土砂崩れなどの自然災害によって家屋が使えない状態になると、家賃収入がゼロになる可能性があります。
また入居者に直接被害が及んだ場合、オーナーが責任を問われるケースも。
【実例】阪神淡路大震災による家屋倒壊でマンションオーナーが責任を問われた
阪神淡路大震災(1995年)で、賃貸マンション(3階建て)が倒壊して入居者4人が死亡する事故が起こりました。
被害者の遺族が起こした訴訟の結果、「マンションが建築基準法の定める強度を満たしておらず、倒壊の責任はオーナーにある」として、オーナーに対して損害賠償1億2,883万円を支払い命令が下されました。
(出典:判例時報1716号)
アパート経営・マンション経営のリスクを最小限におさえるための対策5つ
ここまで解説してきたリスクに対して、オーナー自身ができることは次の5つです。
- <信頼できる管理会社>を選ぶ
- <入居審査>でトラブル予備軍を排除する
- <計画的な修繕>で老朽化するスピードを抑える
- 金利変動に耐えられる<手堅い計画>を立てる
- <損害保険に加入>して災害による被害を最小限におさえる
<信頼できる管理会社>を選ぶ
信頼できる管理会社をパートナーにすれば、空室・滞納を防ぐことができます。
優良な管理会社を選ぶポイントは次の4つ。
- 「集客力」がある
- 「トラブル対応力」が高い
- 「経営状態」が良好
- 「適正価格」で管理サービスを提供している
まずは、2~3社に候補をしぼってから、1つ1つチェックしてみてください。
優良な管理会社の特徴①:「集客力」がある
アパート・マンション経営最大のリスクである「空室を埋める力=集客力」は、管理会社で最も重要なポイントです。
どの会社も次の2つの実績データを公表しているので、チェックしましょう。
「集客力」をチェックする指標2つ
①入居率
=入居者÷部屋数
②平均空室期間
=空室日数÷空室になった部屋数
⇒上記2つの指標は算出方法・定義が管理会社によって違うことがあるので、営業担当者に確認してください。
優良な管理会社の特徴②:「トラブル対応力」が高い
「入居者間のトラブル(騒音など)や滞納者への対応が丁寧で迅速」
「ガス・水道・電気が故障したとき、すばやく対応してくれる」
このようにトラブル対応力が高い管理会社は、オーナーの強い味方になります。
トラブル対応力のチェックリスト
- 過去に起こったトラブル事例
- そのトラブルにどのように対処したか
- トラブル対応専門のコールセンターを設置しているか
上記3点を確認して、不測のトラブルにも柔軟に対応してくれる業者を見抜きましょう。
優良な管理会社の特徴③:「経営状態」が良好
入居者からの家賃は管理会社を経由してオーナーに振り込まれるので、管理会社の経営状態も大切なポイント。
経営状態がよくない業者だと、
- 家賃の振り込みが遅れてしまう
- 家賃・敷金を回収できないまま倒産してしまう
のように、予定通りの賃料がオーナーのもとに入ってこない恐れがあります。
見極める方法としては、信用調査会社に調査を依頼するのがおすすめです。
優良な管理会社の特徴④:「適正価格」で管理サービスを提供している
信用できる管理会社は、委託料を「安すぎず高すぎず=適正価格」に設定しています。
特に注意すべきは、管理委託料※が相場より安いケース。
※オーナーが管理会社に支払うお金
- 管理スタッフの人数が少ないので、トラブル対応が遅い
- 入居審査が甘いので、マナーの悪い”不良入居者”を入居させる恐れがある
などサービス内容が「安かろう悪かろう」である可能性があります。
まずは複数の管理会社(2~3社)から見積りを取ってみることをオススメします。
その上で「妙に安いな…」と感じる業者があれば、関わらない方が無難です。
<丁寧な入居審査>を行って”滞納者予備軍”を事前にブロックする
滞納のおそれのある”滞納者予備軍”は、入居審査の段階でブロックしましょう。
具体的には2つの方法があります。
- 契約のハードルを上げる
- 入居申込書をきちんとチェックする
滞納者をブロックする審査方法①:契約のハードルを上げる
- 契約時に保証人(家族・親戚など)をつけてもらう
- 契約時に保証会社と契約してもらう
といったように契約のハードルを上げると、「保証人に迷惑はかけられない…」という心理が働くので滞納防止になります。
仮に滞納されたとしても、保証人・保証会社に家賃を請求できるので安心です。
滞納者をブロックする審査方法②:入居申込書をきちんとチェックする
入居申込書を丁寧にチェックすることも、滞納対策の1つです。
入居申込書とは?入居審査を行うための書類。不動産会社に来店し、物件を内見した入居希望者に提出してもらう。
記入項目:「氏名」「現住所」「家族構成」「勤務先」「年収」「引っ越し理由」
特に、次の2項目はしっかりとチェックしましょう。
■「入居申込書」のチェックポイント2つ
①居住期間
不自然に思えるほど引っ越し回数が多い人は、滞納を繰り返している可能性があります。
賃貸物件の契約期間は2年が一般的なので、数か月~1年未満おきに住居を変えている人には要注意です。
②収入
入居希望者の年収が家賃に対して少なすぎる場合は、要注意です。
ただし「家賃の上限は月収の30%」とよく言われますが、明確な基準はありません。
年収の低い人全員が滞納するわけではないので、以下の点を加味して総合的に判断しましょう。
- 入居希望者の人柄
- 転職・離職回数
- 保証人の信用力
必要に応じて、オーナーが直接希望者と面談するのもアリです。
<計画的な修繕>を行って家屋の老朽化スピードを遅くする
計画的な修繕で家屋の劣化を遅らせることが、老朽化リスクに対する唯一の対策です。
具体的にアパート・マンションの修繕は次の3つに分けられます。
- 「原状回復」
=入居者が退去したときに、室内の状態を元の状態に戻す作業 - 「日常修繕」
=入居中に破損した設備(または建物の一部)の補修 - 「大規模修繕」
=足場を組んで行う建物全体の修理(新築後15年後)
①「原状回復」=入居者が退去したときに、室内の状態を元の状態に戻す作業
入居者が退去したとき、経年劣化した内装・設備を元の状態に戻すのが「原状回復」。
補修が増えてくるのは新築後5年以降です。
原状回復で修繕する設備の一例
- 畳・クロスの変色・カーペットについた家具の跡
- 壁に空いた画びょう・ピンなどの穴
- 水まわり(バス・トイレ・キッチン)の修理
借主が負う原状回復には、入居時に支払われる「敷金=家賃の1~2か月分(相場)」を使うのが一般的です。
なお「どこまでがオーナー負担で、どこまでが入居者負担なのか」の判断は難しいので、国が発表しているガイドラインを参考にしてください(※1)。
東京都では、原状回復の費用負担ついて、入居者に書面で説明する義務があります(=東京ルール ※2)。
(※1)国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」
(※2)東京都都市整備局「賃貸住宅紛争防止条例」
②「日常修繕」=入居中に破損した設備(または建物の一部)の補修
- 共有部分の消耗品(蛍光灯・階段の滑り止めなど)の交換
- 手すり・タイル・外壁のメンテナンス
- エアコン・ガス管・給水タンク・水道管の補修・パーツ交換
など、入居期間中に破損した設備や建物の一部を補修するのが「日常修繕」。
費用は「建築費×1~2%(1年間)」が目安です。
③「大規模修繕」=足場を組んで行う建物全体の修理(新築15年後)
- 外壁のペンキ塗り替え・屋上の防水
- 鉄部の塗装、給排水管の取替え
など、新築15年後に足場を組んで行う建物全体の修理が「大規模修繕」です。
積み立て金は、1月あたり200円/床面積(㎡)が目安(※3)。
たとえば床面積の合計が100㎡であれば、月20,000円になる計算です。
(※3)国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
また大規模修繕は「まだちょっと早いかな…」と思うくらいのタイミングで行うのがオススメ。
早めのメンテナンスによって家屋の寿命が5~10年伸びることもあり、その場合収入額が大幅に増加します。
たとえば、
- 家賃収入(合計):100万円/月
- 長期修繕費用:1,000万円
の物件で家屋の寿命が5年伸びると、6,000万円(100万円×12か月×5年)が入ってくる計算です。
逆に「まだ大丈夫だろう…」と先延ばしにしていると、この6,000万円を取り逃すことになります。
高品質の家屋は建築費が高めですが、修繕費が少なく済むので、長い目で見るとオトクになることが多いです。
たとえばタイル貼りの外壁は、吹き付けの外壁より高くつきますが、その分修繕費が少なくすみます。
また近年大手ハウスメーカーが提供している「メンテナンスフリー住宅」は、新築後10~15年間は修繕費がかかりません。
- 家屋の品質・価格
- 修繕費
を決めるときは、目先の安さにとらわれてはいけません。
事業期間全体(20~30年)でどちらがオトクになるか判断しましょう。
金利変動に耐えられる<手堅い返済計画>を立てる
「融資開始から5年経って金利が1%上がったので、事業計画が狂ってしまった…」
このような金利変動によるダメージを受けないためには、アパートローンの金利を手堅く見積もっておく必要があります。
融資金額・期間などにもよりますが、以下が一つの目安です。
- 手堅く固定金利で借り入れる
- 変動金利で借りた場合、5年ごとに1%上がる設定で返済計画を立てる
金利の上昇リスクを0にするなら、初めから固定金利のローンを選びましょう。
またどうしても変動金利のローンしか組めない場合は「金利は上がるもの」と肝に銘じておくことが重要です。
【補足】アパートローンの金利の種類・利率
- 固定金利:年3%~
⇒利率は借入期間中ずっと同じ - 変動金利:年2.5%~
⇒景気変動に合わせて、半年ごとの利率見直しがある
固定金利の方が金利は高めに設定されますが、金利は完済まで一定です。
<損害保険>に加入して災害による被害を最小限におさえる
自然災害による家屋の被害を最小限におさえるため、必ず入るべきなのが損害保険。
次の2つはセットで加入するのが一般的です。
- 火災保険
⇒自然災害・事故による被害をおさえる - 地震保険
⇒地震による被害をおさえる
保険料(オーナーが負担する金額)は立地・家屋などによりますが、
- 家屋の構造:鉄筋コンクリート造
- 建築費:1億円
の場合、2つセットで30年間保険で合計120万円が目安です。
「火災保険」=自然災害・事故による被害をおさえる
アパート・マンションオーナーが必ず加入しなくてはいけないのが火災保険。
火災保険とは?建物・家財道具などが自然災害・事故によって損害を受けたとき、補償する保険。
どの保険会社でも必須の補償内容としているのが、火災・落雷・破裂・爆発。
そのほかは立地・家屋の特性によって任意で選択する。
補償項目 | 補償を受けられるとき |
---|---|
火災 | 火災によって損害を受けたとき |
落雷 | 雷によって損害を受けたとき |
破裂・爆発 | ガスなどの爆発、それに伴う発火によって被害を受けたとき |
風災・ひょう災・雪災 | 台風・つむじ風・竜巻・ひょう・雪などの被害を受けたとき |
水災 | 集中豪雨などの被害を受けたとき |
盗難 | 泥棒によって物品が盗難・破壊されたとき |
騒じょう | 暴力・破壊行為などの被害を受けたとき |
水漏れ | 給排水の劣化など、水の被害を受けたとき |
破損等 | 不注意による家財の破損など |
加入する火災保険を選ぶ際は「どのくらいまで損害が保証されるのか」を確認しておくことが大切です。
オプションとして「家賃補償特約」を付けておけば、家屋が復旧するまでの家賃収入が補償されます。
補償金額は「1月あたりの家賃×家賃補償期間」。
家賃補償期間によって、オーナーが負担する金額が変わってきます。ただし、
- 公共料金(水道・ガス・電気など)
- 一時金(権利金・礼金・保証金など)
などは家賃に含まれません。
「地震保険」=地震による被害をおさえる
火災保険と同時に加入しておきたいのが地震保険です。
地震保険とは?建物・家財道具などが地震・津波・噴火によって損害を受けたとき、補償する保険。
火災保険(または住宅総合保険)とセットで契約する(地震保険単独では加入できない)。
保険金(補償されるお金の上限)は、セットで契約する火災保険の保険金の30~50%に設定するのが一般的(上限:建物=5,000万円、家財=100万円)。
たとえば、
- 家屋の時価総額:1億円
- 火災保険の保険金:8,000万円
の場合、2,400万~4,000万円となります。
実際に支払われる金額は、損害の程度によって以下のように変わってきます。
■地震保険の補償金額
損害のレベル | 損害のレベルの判定基準 | 支払われる金額 | |
---|---|---|---|
全損 | 家屋 | ・主要構造部の損害=「時価×50%以上」 または ・「延床面積×70%以上」が消失・流出 |
保険金 × 100% |
家財 | 損害=「時価×80%以上」 | ||
大半損 | 家屋 | ・主要構造部の損害=「時価×40%以上50%未満」 または ・「延床面積×50%以上70%」が消失・流出 |
保険金 × 60% |
家財 | 損害=「延床面積×60%以上80%未満」 | ||
小半損 | 家屋 | ・主要構造部の損害=「時価×20%以上40%未満」 または ・「延床面積×20%以上50%」が消失・流出 |
保険金 × 30% |
家財 | 損害=「延床面積×30%以上60%未満」 | ||
一部損 | 家屋 | ・主要構造部の損害=「時価×3%以上20%未満」 または 床上浸水 or 地面から45cmを超えて浸水 |
保険金 × 5% |
家財 | 損害=「時価×10%以上30%未満」 |
また毎月の保険料(オーナーが負担する金額)は、以下によって変わってきます。
- 家屋の構造 ⇒ 強度の高い構造ほど、保険料が安くなる
- 地震の発生率 ⇒ 地震の発生率が高い都道府県ほど、保険料が高くなる
■地震保険に加入していると所得税が優遇される
地震保険に加入すると所得税の優遇が受けられます(火災保険は控除の対象になりません)。
支払った保険料の金額に応じて、所得から一定額を控除できる仕組みです。
その年に支払った地震保険の保険料 | 控除額 |
---|---|
年間5万円以下 | 支払った保険料の金額分 |
年間5万円以上 | 5万円 |
保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」を確定申告書に添付すれば手続きできます。
アパート経営・マンション経営のリスクを把握して潰せるものは潰しておきましょう
冒頭でも述べたように、アパート・マンション経営は他の土地活用よりもリスクが多め。
「想定内のトラブル」を準備段階で潰しておくことが大切です。
もう一度このページを読み返した上で、以下のように現場の声を聞いてみましょう。
- 大家を対象にした不動産会社のセミナーに出向いてみる
- 土地活用の先輩の失敗談を聞いてみる
リスク・対処法を明確にイメージできるようになり成功確率がアップします。
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