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登記簿の住所変更とは?概要から実際の流れまで徹底解説【法人の場合も解説】

司法書士を活用すれば間違いナシ

「そもそも登記簿の住所変更って何?」
「登記簿の住所変更ってどうやってするの?」
「登記簿の住所変更って必ずしないといけないの?」

本記事では以下をメインに、登記簿の住所変更について解説していきます。

  • 登記簿の住所変更とは
  • 登記簿の住所変更に必要な書類・費用・期間
  • 登記簿の住所変更の流れ
  • 法人における登記簿の住所変更

登記簿の住所変更は何度も経験することではないので、よく理解していない人も多いです。
住宅を購入して引っ越す予定があるという人は特に、必ず一読しておきましょう。

登記簿の住所変更は「所有者の住所」を変える手続き

登記簿サンプル

画像:法務省ホームページ「【参考1】 登記事項証明書(不動産登記)の見本」

登記簿とは不動産の物的状況や権利関係を記録した、登記所※が管理する帳簿のこと。
(※法務局・地方法務局・支局・出張所のこと)

大きくわけて3つの内容について記載されています。

登記簿の構成

  • 【表題部】
    →所在地や細かい土地情報などが記載されている
  • 【権利部(甲区)】
    →不動産の所有権について記載されている
  • 【権利部(乙区)】
    →所有権以外の権利について記載されている(抵当権など)

登記簿の住所変更とは、画像赤枠の権利部(甲区)の所有者の住所を変える手続きです。
表題部にある不動産の所在地は、変更することはできません。

登記簿謄本と登記事項証明書の違い

登記簿は一般的に登記簿謄本か登記事項証明書と呼ばれる。
両者は内容は同じだが形態によって呼び方が変わる。
・登記簿謄本…登記用紙をコピーしたもの
・登記事項証明書…内容のデータを印刷したもの
現在では登記簿といわれるものの多くは登記事項証明書を指す。

登記簿の住所変更が必要なケース

登記簿の住所変更が必要なケースは、主に住宅ローンを組む場合です。
住所変更を済ませておかないと、新しい住居をローンで買うことができません。

住宅ローンは他のローンと比較すると、低金利で融資を受けられますよね。
そのため融資する側は、投資用物件などに利用していないか確認が必要です。

住民票を移してから融資の依頼することで、住居として利用することを証明します。

なお登記簿の住所変更は義務ではないため、忘れていても罰せられることはありません。
とはいっても何も不具合が出ないわけではないので、なるべく早めに行いましょう。

登記簿の住所変更の手続き方法

登記簿の住所変更の手続き方法は2つにわけられます。

  • 自分ですべてやる
  • 司法書士に依頼する

法務局の窓口時間は基本的に、平日の午前8時30分~午後5時15分。
平日に仕事をしている人は、時間を取るのは難しいですよね。
郵送でも申請できますが、書類に不備などがあれば手続き完了がどんどん先送りに…。

そこでおすすめしたいのが、司法書士に手続きを依頼すること。
司法書士に依頼すれば、手間をかけずに無事に手続きを完了できるはずです。

登記簿の住所変更に必要な書類・費用・期間

司法書士に依頼する場合でも、以下の3つは把握しておいてください。

  1. 登記簿の住所変更に必要書類
  2. 登記簿の住所変更にかかる費用
  3. 登記簿の住所変更にかかる期間

特に費用と期間は直接的に関わることになるので、しっかり見ておきましょう。

①登記簿の住所変更に必要な書類

登記簿の住所変更申請書

画像:法務局ホームページ「登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合)」

司法書士に依頼した場合、以下のような書類を作成・提出してくれます。

◎住所変更登記の必要書類の例

  • 住所変更登記申請書
    →法務局公式ホームページからダウンロードできる
  • 委任状
    →法務局公式ホームページからダウンロードできる
  • 登記事項証明書
    →法務局公式ホームページからダウンロードできる
  • 住民票の写し or 戸籍の附票
    →役所で取得可能
    (戸籍の附票は本籍地の役所で取得可能)
  • 収入印紙
    →法務局・郵便局・コンビニなどで購入可能

司法書士によっては「この書類は用意してほしい」といわれることもあります。

登記事項証明書は本人以外も取得できる

登記事項証明書は公にされており誰でも閲覧できる。
そのため本人とはまったく関係がない第三者が取得しても構わない。
登記事項証明書の取得方法は主に3通り。
・オンライン請求→法務局窓口で受け取り(1通480円)
・オンライン請求→法務局から送付(1通500円)
・法務局窓口で申請 & 受け取り(1通600円)
委任状や印鑑は不要ですが、基本的に地番がわからないと取得できないので要注意。
(地番…土地を特定するために個々の土地につけられた番号)

②登記簿の住所変更にかかる費用

登記簿の住所変更にかかる主な費用は以下の通り。

◎住所変更登記にかかる費用の例

  • 手数料
    →書類作成費用として3,000円程度
  • 登録免許税
    →不動産の数×1,000円(建物と土地で2,000円)
  • 書類の発行手数料
    →3,000円程度
  • 司法書士への依頼費用
    →1万円程度

合計1万8,000円(目安)

費用は大体1万5,000円~2万円はかかると思ってください。
面倒な手間を丸投げできるなら、それほど高くはないといえます。

依頼先によって料金は多少変わるので、事前に必ず公式サイトを確認しておきましょう。

③登記簿の住所変更にかかる期間

登記簿の住所変更にかかる期間の内訳は以下の通り。

◎住所変更登記にかかる期間の例

  1. 司法書士への相談…1日
  2. 司法書士への依頼…1日
  3. 登記申請の準備…4日
  4. 登記申請開始から完了まで…1週間
  5. 完了後の書類返却…1日

合計13日

1週間ですべての手続きを終わらせるのは、基本的に無理だと思ってください。
3~4週間あれば余裕をもって完了する」くらいの感覚で、とらえておきましょう。

登記簿の住所変更をする流れ3ステップ

登記簿の住所変更の大まかな流れは以下の通り。

  1. 司法書士への依頼
  2. 必要書類の用意
  3. 登記完了

事前に予習して、スムーズに登記簿の住所変更をすすめましょう。

【STEP①】司法書士への依頼

まずは依頼する司法書士を探して、登記簿の住所変更を依頼します。
司法書士を探す際には、以下のような点を考慮して判断しましょう。

司法書士を選ぶポイント

  1. 相談内容を真摯に聞いてくれている
  2. 依頼内容に合った司法書士
  3. わかりやすく説明してくれる
  4. メリットだけでなくデメリットも教えてくれる
  5. 提示してくる金額が妥当

大事な住所変更を一任するので、信頼できる人に依頼してください。

①相談内容を真摯に聞いてくれる

まずは相談内容を真摯に聞いてくれるかどうか、確認しておきましょう。
たとえばすぐに金額を提示してくる場合などは、あまり良い依頼先とはいえません。
具体的な内容を聞いた上で「こんなサポートができます」と提案してくれるのが理想です。

②依頼内容に合った司法書士

一口に司法書士といっても、取り扱う内容は多岐にわたります。
そのため司法書士は、全案件に対応できるわけではありません。
依頼する際には、登記簿の住所変更に慣れている司法書士に依頼しましょう。
公式サイトを見れば対応した案件がわかるので、事前の確認がマストです。

③わかりやすく説明してくれる

手続きの流れなどをわかりやすく、説明してくれるかどうかを見てみてください。
専門用語ばかり使って、説明がわかりにくい司法書士の技量には疑問符がつきます。
またわからないことがあればその都度、確認するようにすることが大切です。

④メリットだけでなくデメリットも教えてくれる

信用性の判断として見ておくべきポイントは、デメリットも教えてくれるかどうか。
「仕事が立て込んでいるので、完了までに○○日程度かかる見込みです」
このように有益ではない情報も教えてくれる司法書士は信頼性が高いです。

⑤提示した金額が妥当

先述した通り、依頼した場合の費用の相場は1万円~2万円程度。
それを大きく下回る場合には、後から追加料金を取られるおそれも…。
反対に提示金額が相場を大幅に超える場合は、ぼったくられているかもしれません。
提示金額に疑問がある場合は、金額の内訳などをしっかり聞くようにしてください。

【STEP②】必要書類の用意

住民票の写しと戸籍の附票

画像:総務省ホームページ「住民票及び戸籍の附票等について」

司法書士は書類をそろえて、法務局へ提出してくれます。
依頼者が用意することになる書類は2パターンのどちらかです。

  • 登記簿上の住所からの移転が1回のみ
    →「住民票の写し」が必要なケース
  • 登記簿上の住所から複数の住所変更をしている
    →「戸籍の附票」が必要なケース

住民票の写しや戸籍の附票は、特別に何か記入する書類ではありません。
役所の公式ホームページか、直接役所に足を運んで取得したものを提出します。

住民票と戸籍の附票の違い

住民票と戸籍の附票の違いは以下の通り。
・住民票…現在の居住関係を証明する書類(前住所も記載あり)
・戸籍の附票…これまでの住所の履歴を記載する書類
どちらも除票(消除された住民票や戸籍の附票)の保存期間は5年。

【STEP③】登記完了

登記完了証

画像:不動産売買登記・相続登記ドットコム「登記完了証と登記事項証明書」

住所変更登記が完了すると、無料で登記完了証が発行されます。
登記完了証は文字通り「登記が完了した」ことを証明する以上の意味はありません。

内容の変更をきちんと確認したい場合は、登記事項証明書を取得してもらいましょう。
ただし登記事項証明書は有料(480円~600円)になるので、把握しておいてください。

なお登記完了証を受け取るまでの期間は、管轄の法務局のホームページで確認可能です。

法人の場合は登記簿の住所変更が必須

法人の登記簿の住所変更は主に2パターンあります。

  1. 代表取締役の住所変更登記
  2. 会社の本店移転登記

会社の登記事項に変更があったときは、2週間以内に変更登記をしなければいけません
2週間を過ぎてしまうと、100万円以下の過料が科せられる可能性もあるので要注意。
タイムリミットを意識して、なるべく早めに司法書士に依頼しましょう。

法人の住所変更登記についての条文(会社法)
罰金・科料・過料の違い

罰金と科料は刑罰の1つ。
「1万円以上=罰金・1万円未満=科料」でいずれも前科がつく。
過料は科料と同じ軽い金銭制裁ではあるが刑罰ではない。
民事上や行政上の義務を怠った場合に科される。

①代表取締役の住所変更登記

株式会社の代表取締役の住所は、訴状の送達先などであるため登記事項です。
そのため代表取締役が転居した場合などは、住所変更登記をしなければいけません。

代表取締役の住所変更登記にかかる費用は以下の通り。

  • 登録免許税
    資本金1億円以下:1万円・資本金1億円超:3万円
  • 司法書士への依頼費用

資本金が1億円を超えれば、司法書士への依頼費用は高くなるので把握しておきましょう。

なお代表取締役以外の役員は住所が登記されていないので、転居しても影響はなし。
ただし特例有限会社※では、取締役や監査役も住所変更登記が必要になります。
(※2006年の会社法施行以前に現在は廃止されている「有限会社」であった会社)

②会社の本店移転登記

会社の本店移転登記は、大きくわけて2つのパターンがあります。

  • 管轄内本店移転(現在と同じ管轄の法務局)
    登録免許税:3万円
  • 管轄外本店移転(管轄の法務局が変わる)
    登録免許税:6万円

移転によって管轄の法務局が変わる場合は、新旧両方に登記申請します。
2件分の登記になるので、登録免許税も管轄内移転の倍になるので把握しておきましょう。

また定款に住所が記載されていれば、定款を変更しなければいけません
(定款…会社の目的や活動などについてのルールを書面化または電子化したもの)
定款を変更する場合は株主総会を開き、特別決議による株主の承認が必要です。

定款の変更の必要性の判断

定款に具体的な住所が記載されているなら移転により定款変更が必要。
市区町村のみが記載されており、移転しても影響がなければ定款変更は不要。
たとえば渋谷区から同じ渋谷区内の移転なら定款は変更しなくていい。

登記簿の住所変更について5つのQ&A

Q1. 手続きを自分でするか司法書士に頼むか選ぶ基準ってあるの?

司法書士に依頼するということはズバリ、手間や時間をお金で買うということ。
費用は2万円程度であるため、働いていればそれほどの出費ではないはずです。
自分で手続きする場合でも、数千円は実費でかかり時間もとられます。
司法書士にまかせれば、時間を有意義に使えてストレスも溜まらないでしょう。

また法人の場合は手続きが煩雑になるので、手続きの不備はリスク
不備によって後々トラブルになるよりは、まかせたほうが万一のリスクは避けられます。

Q2. 市町村合併による住所変更登記は必要なの?

市町村合併などによって住所が変わった場合は、変更登記があったとみなされます。

(行政区画の変更等)
第九十二条
行政区画又はその名称の変更があった場合には、登記記録に記録した行政区画又はその名称について変更の登記があったものとみなす。字又はその名称に変更があったときも、同様とする。

2 登記官は、前項の場合には、速やかに、表題部に記録した行政区画若しくは字又はこれらの名称を変更しなければならない。

登記簿上の住所が旧住所では困るという人でない限り、手続きは必要ありません。
ただし市町村合併によって、地番が変わった場合は登記が必要なので注意してください。

法人の場合は定款との兼ね合いもあるので、念のために法務局に確認しましょう。
個人・法人いずれの場合でも、非課税で登記申請が可能です。

市町村合併における非課税登記についての条文(登録免許税法)

Q3. 住居表示実施による住所変更登記は必要なの?

住居表示実施

画像:沖縄県うるま市ホームページ「住居表示のしおり」

結論からいうと、住居表示実施では住所変更登記は必要です。

住居表示実施とは、あるエリアの住所をわかりやすくするために実施するもの。
字名や番地の住所から、街区の符号と住居番号で表されるようになります。

  • 住居表示実施前の住所例:〇〇市字×× 321番地
  • 住居表示実施後の住所例:〇〇市△△1丁目1番1号

登記の際に住居表示実施証明書などを添付すれば、非課税で登記できます。

住居表示実施における非課税登記についての条文(登録免許税法)
住居表示を実施していないことのデメリット
  • 1筆の土地が大きいと多くの家屋が同一地番になってしまう
  • 分筆などによって枝番・欠番・飛番が出て複雑になる
  • 町の境界がわかりにくい
  • 住所がわかりにくく配達時や緊急時のときに困る

Q4. 住所がつながらない場合はどうしたらいいの?

「住所がつながらない」とは、登記上の住所が現住所と異なっていること。
住所変更登記では、2つの住所がつながっていることを証明する書類が必要です。

先に少し触れた通り、住民票に登記上の住所が記載してあれば住民票でOK。
住民票でつながらない場合は、戸籍の附票などが必要になります。

問題は戸籍の附票でも住所がつながらない場合。
この場合の決まった正解はなく、複数の証明書を用意して提出するようです。
住所がつながらない人はとにかく、法務局に連絡して具体的な指示を仰いでください。

なお婚姻や転籍をしていると、戸籍が新しくなり附票も一新するので特に要注意です。

Q5. 登記簿の住所変更でマンション名の省略はできるの?

結論からいうと、マンションの名前や部屋番号は省略することは可能です。
マンション名や部屋番号は方書(かたがき)といい、登記簿に記載がなくても構いません。

マンション名や部屋番号を記載するのは、何となくイヤだという人もいるでしょう。
ただし記載がないと、公的機関からの書類が届かないということもあるので要注意。
また司法書士は要望がない限りは、基本的にマンション名や部屋番号入りで登記します。

法人の場合は、代表取締役の住所が登記事項になっているのは先述した通り。
そのためプライバシーを考慮して、要望を聞いて登記しないケースも多いです。

登記簿の住所変更は司法書士に依頼してカンタンに済まそう

登記簿の住所変更について解説してきたことをまとめてみました。

【登記簿(登記事項証明書・登記簿謄本)とは】
不動産の物的状況や権利関係を記録したもの

 

【登記簿の住所変更(住所変更登記)とは】
登記簿の権利部(甲区)にある所有者の住所を変更する手続き

 

【おすすめの手続き方法】
司法書士に依頼して手続きを代行してもらう

 

【司法書士に依頼して得られるメリット】
・必要書類を取得するために費やす時間や労力がない
・書類不備などで完了までの時間が延びるリスクがない
・登記簿の住所変更について情報を収集する手間がない

 

【司法書士への依頼費用の目安】
諸々込みで1万5,000円~2万円

 

【登記簿の住所変更にかかる期間の目安】
2~3週間(長くて4週間)

 

【登記簿の住所変更の流れ】
①司法書士に相談・依頼する
②「用意してほしい」といわれた書類を用意する
③司法書士が登記を済ますまで待つ

 

住所変更登記はケースによって、とても複雑になることがあります。
費用は2万円前後と高いわけではないので、司法書士に手続きしてもらうのがおすすめ。
依頼する際は住所変更登記の実績が豊富な司法書士に相談しましょう。
またデメリットも教えてくれるか、費用が妥当かなども考えて依頼してください。

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