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5つの手順と実践方法

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大家業を軌道に乗せる手順・実践ステップ5つ

 今回はTwitterにて大家業の日々の進捗を発信する「まーしー大家」氏にご寄稿いただきました。

テーマは「大家として軌道に乗るための5つのステップ」です。

まだ大家業を始めて7ヶ月ながらも、多くの経験を積み重ねるまーしー大家氏。

始めたてだからこその目線で、初心者向けのステップをお伝えいただきました。

  1. 現金を貯める
  2. 知識武装
  3. 準備運動
  4. 「理想通りではない物件」の購入
  5. 「理想の物件」に近づく

各ステップごとにするべき行動も徹底解説。

不動産初心者の方にとって道しるべとなる内容です

【寄稿者プロフィール】

         おおや
まーしー大家

地方の会社勤務・兼業投資家

◆プロフィール
1984年生まれ、地方の会社員。
令和元年5月、35歳で廃墟物件を購入し、不動産投資をはじめる。
その後2~3か月に1棟ペースで物件の購入を進め、修業中。
戸建てはすべて現金買い、アパート1棟のみ国金にて融資をひいて購入。
やることなすこと初めてなので、都度都度調べ作戦を立てて攻略中。

◆主な投資手法
家から概ね10分の物件ばかりを購入。
管理に必要な費用は元より時間的コストを削減。
購入基準は2極。
主には、実勢土地値から解体費+諸経費を引いた金額で上物付きの物件を購入。
収益性特化の場合は、資産性はもちろん出口すら無視、3年以内の回収を基準にして購入。

◆まーしー大家の強み 
証券投資歴10年以上。
オタク気質な素養を不動産に応用して購入判断。
付、再生、客付まで一通り不得手な部分がないところ。

Twitter:@ma_sii_ooya

寄稿に際して

トチカム様から記事を書いてみませんか、とお誘いがあり驚きました。

それもそのはず、私は大家になって最初の物件を購入してから7か月しか経っておりません。

そんな私が「他の誰かに不動産についてお伝えできることなどあるのか」と当初は悩みました。

今回寄稿を決断したのは「大家になりたての心境が新鮮な内に記事を書く」ことは確かに私のような素人にしかできないのかもしれない、と思い至ったからです。

雲の上でなく同じ地上に居る私だからこそ(笑)今から大家になろうとしている方々がより親近感を持ってお読みいただけるかも…。

そう思ったが故に僭越ながら寄稿させていただきました。

稚拙ですが、そこに目隠しをして

  • 大家になるまでの準備期間
  • 物件購入後からの7か月

を要点のみ、全力でお伝えさせていただきます。

それ故に抽象的なところもありますので、より詳しく教えてほしいと思われた点があればツイッターにて気軽にお声がけ下さい。

再三申して恐れ入りますが、経験豊富な方が見たらあまりに稚拙な内容だと思います。

反面、超初心者の方には視界が開ける一助となるでしょう

その点に関して、まっすぐな心で記事を書いてまいります。

大家として軌道になるまでの5つのステップ(手順編)

私は以下の5つのステップで大家になりました

そして、その後も拡大を続けられています。

どのステップでも大事なのは

  • 途中でやめない
  • (特に外的要因によって)途中で止まらない

ことだと思います。

それぞれのステップについて見ていきましょう。

ステップ①現金を貯める

まずは不動産と交換するための現金が必要です。

個人的な考え方ですが、これはできれば余裕資金である方が良いと思います。

どんな事業に限らず、投資をする際には精神の安定が不可欠です。

何か不測の事態が起こった際に残弾がなければ身動きが取れませんし、何より精神的に不安定になってしまうことも…。

投資による失敗のほとんどはセルフコントロールができなくなることが原因と思います。

人それぞれ余裕資金の金額は違うと思いますが、初心者だからこそ生活を犠牲にするほどの無理やりな資金投入は避けたほうが良いでしょう。

ステップ②「(知識)武装」をする

次に「(知識)武装」をします。

これは現金を貯めることと同時に行っても良いです。

例え話ですが、仮に自分は素手でも周りの不動産関係者は海千山千・何十年の手練ればかり

  • ピストルやマシンガン
  • ハードなトラップ
  • 精巧な探知機

まで用意していることでしょう。

素手ではまず勝てません。

なので竹やりでも何でもいいので武装が必要です

竹やりでも頭を使えば戦い方はあります。

自分の中で武装ができたと思えば即行動に移すが吉です。

脅威のないところで現状の自分でも仕留められる内容だけに集中して、コツコツ竹やりを振り回して続けていきましょう。

あくまで私の思う竹やりは

  • 不動産の体系的な本を2~3冊
  • より自分が気になる・必要だと思う部分の専門書を6~7冊

くらい読めばゲットできます。

1か月もかからないのではないでしょうか。

時間のある人はもっと時間をかけて30冊読んで、例えですが薙刀や火縄銃くらいまでゲットしてもよいでしょう。

とはいえ、個人的にはさっさと実践した方が知識の吸収が早いと思います。

30冊読むくらいなら、少額で物件を買った方が自己の鍛錬は早くなるはず。

つまり、物件を買ってから本を読んだ方がインプットに費やすトータルの時間は減ると思います。

ステップ③「準備体操」をする

当然ですが、武器も手にしなければ扱えません。

ですから、自分の中に武器ができてきたと思ったら準備運動をします。

具体的にオススメな方法は「やってる人のやってるところを見る」ことです。

先輩が立派な槍で無双しているのを見習いつつ自分も竹やりを駆使してみると、手ごたえが潜在的に蓄積していくと思います。

ステップ④「理想通りではない物件」を喜んで買う

ここまではありきたりな話ですが、ここからのステップは私の独自性が出ているかもしれません。

私は「急がば回れ」という言葉が好きです。

(良い悪いは別として)私の場合は色々作戦を練った結果「最初から理想の物件を買える確率」はほぼ0という結論を出しました。

理想的な物件を買うのは数年後でいいと割り切り、誰も買わない物件を後退したくなる心を殺して買いました(笑)
※真似しちゃだめですが

一応とった行動には理由があって、その理由は

  • 最初に苦労しておけば次から同じ問題起きても楽
  • 私という人間を不動産屋さんに覚えてもらう

というものでした。

実際はそこまで酷い物件でなくても相手に信頼してもらうことをプライオリティの1丁目1番地にブレずに突き通せば、2軒目からより良い条件の物件が回ってくると思います。

ステップ⑤「自分の思い描く理想の物件」に近づいていく

重要なのは1軒目から理想の物件は買えないということです。

先ずは自我の要求よりも相手の利益を優先して買いましょう

あちらにとっては大した利益でなくとも、真摯な態度と言葉でいれば気持ちは伝わるものです。

伝わってから、2件目で自我を少し混ぜればいいと思います。

大家歴が短い私ですが、先輩大家様をはじめとして世の中の取引を観察しても大体同じように感じました。

わたしは酷く慎重で臆病なタイプなので、経験のないことをするのが恐ろしかったです。

しかし、結局自分で幻覚の炎をみていて怖がっていただけでした。

「失敗しても死なない状況を準備して、火中に飛び込んでみる」

「案ずるより産むが易し」

最初の一歩を通り過ぎたら、火の熱さで命を脅かされるようなことはありませんでした

大家として軌道になるまでの5つのステップ(実践編)

ここまで流れを抽象的に書きましたが、各ステップの具体的な方法についても記載していきます。

ステップ①固定費を下げる

変動費は人間気を付けますが、固定費はよほど意識していないと無頓着になりやすいです。

私の場合は

  • 水道光熱費
  • 駐車場代
  • 携帯代
  • ネット回線
  • 各種保険料
  • ジム費
  • 各種会費

で3~4万くらいで生活してました。

もちろん、自分から積極的にそういう環境を取りにいかねばなりません。

寮や社宅、住宅補助がある会社へ転職すると圧倒的にお金が残りやすくなります

あとオススメは小さなプラスの積み重ねと小さなマイナス抑止です。

【小さなプラス】

  • ふるさと納税で食品をもらう
  • 株主優待をもらう

など

【小さなマイナス抑止】

  • パンツを破れたまま履く
  • 靴下を穴空いたまま履く
  • ボールペンの芯だけ変えて使い続ける

など

こういう枝葉の取り組みを何十何百何千としていくと、気づいたら大きな差になります。

そして一番大事なのは見栄を張る贅沢を一切しないことです。

人間大事なのは着ているものや乗っているものよりも、その人自体の魅力です。

そのため、過剰に見栄をはるようなものを買わないのが大事と思います。

私が思う極意は

  • 要不要を見極めること
  • 惰性に任せず舵をとること

です。

ステップ②本の中身を全部読まない

読書が苦手な方は最初から最後まで全部フラットに読んでいる気がします。

それでは時間がかかるだけで、問題解決のきっかけも拾えません。

覚えたことはなるべく読まないことが大事です。

取り組んでいるものがある時は

  1. 何か実践する
  2. つまづく
  3. つまづいた理由を探るように読む

というのが良いです。

そうでないときは

  1. 俯瞰して読む
  2. 気になるところにしるしを打つ
  3. もう一回俯瞰してみる
  4. 知識として残したいかどうか取捨選択する
  5. 読みたいところだけ熟読する

という手順がおすすめです。

その後ふとした時に要点を思い返して考え込むと、理解度がより上がっていくので読書効果も上がります。

生まれたばかりのヒヨコの時は真っ白な気持ちで本を読めば大丈夫です。

しかし体系的な本を1~2冊読むと必ず他の本を読んだときに重複する内容は出てくるもの。

「頻出すること=よくあること」として覚えておくだけでよいです。

数冊読んでからは、どの情報を省くかという観点で本を読んだ方が時間当たりの学習効果は高くなります

1,500円で買った本に対して意地になって時間をかけるより、必要最小限の情報を得た方が効率はいいです。

優等生の方はテストで100点を取る気持ちから、本を隅から隅まで熟読されることでしょう。

しかし実際のビジネスと学校のテストは違うので、100点でなくても成果は出ます。

80点狙いなら、費やす労力は半分以下になるはずです。

仮にそれが50%としても100×1=100が80×2=160となり、結果的に多くの成果に繋がります。

読書も目的意識とスピード感が大事です。

私が思う極意は

  • (自分なりの)武器を創る意識で読む
  • 不要な箇所に時間を割かない

です。

ステップ③得た情報をふまえ実践してみる

世に出ている情報は、画一化された仮想読者がターゲットです。

ですが自分という人間は自分だけで、人それぞれ得手不得手も異なります。

不動産においては、その人の住んでいる場所も大きな違いの一つです。

何が言いたいかというと読んだ情報はその著者が書いた地域や時代、生活習慣や価値観をもって書かれたもの。

その点を留意しなければ、かえって失敗の素になりかねないということです。

その溝は確実にありますが、経験値0の人間にはその溝がどこにあるのかわかりません。

ゆえに、実践が必要なのです。

自分の特性・自分のいる地域にあった方法をとるために、自分の近くで活動をしている人を訪ねます

不動産屋に足しげく通い、たまたま居合わせた大家と仲良くなってもいいでしょう。

SNSなどで他に活動されている大家と仲良くなり、その活動状況から読んだ本の内容が通用するかどうかを探ります。

私が思う極意は

  • 読書内容が自分で取り扱えるか実験する
  • 知識行動の結びつき強化

です。

自分で正解を見つける方が経験値になる

補足ですが、何でも複数人数に質問してその中での最適解を実践するタイプの人がいます。

これは後々、決断を都度自分自身でしてきた人と立場逆転する可能性があるでしょう。

確かに初期で半分のスピードで解決したとしても、後々も同じ方法で解決していくのならば成長がありません。

また正確に情報を伝えられない場合、齟齬が生じて失敗のタネになります。

反面、最初は倍の時間がかかっても最終的に5分の1のスピードでできるようになれば逆転しますし齟齬も生じません。

自分で判断すると、やはり経験値が上がりやすいと思います

ステップ④200万円以下の物件を目をつぶって買う

200万以下の物件を目を瞑って買います。

参考になるかわかりませんが、私の買った物件とその理由は

  1. 職場から10分、家から10分
  2. 実勢の土地値引く解体費ひく多少
  3. 住居用として人気の地区
  4. ウワモノが超ボロボロで一通り経験できそう

というような大雑把な理由でしたので、購入後に困りました。

なんと電気メーターすらなく、電気が来ていないどころか電柱すらなかったのです。

電気のメーター云々だけで何度も電話し、市水も止まっていて開通までにとても時間を使いました。

さらに買った後に基礎が落ちてることに気づいたり、新しい雨漏りが見つかったり…。

その後も様々な欠陥が出るわ出るわといった状態でした。

しかしこうした状態でも直せばお客さまはつきますから、まさに案ずるより産むが易しだと思います。

私が思う極意は

  • 損して得取れ
  • 口先より態度

です。

ステップ⑤物件数と信頼は比例する

まだ私は歩みの途中ですので、これ以降は自分の実践ではなくおぼろげな確信でしか書けません。

ですが今のところ2棟目、3棟目、4棟目…と数が増えるたびにより有利な条件の物件が買えるようになっています。

この理由は自分の知見が増したことも大きいですが、自分を取り巻く関係者が増えることでより優位な物件を紹介していただけるからでしょう。

信頼のある所に人は集まるという単純な理由です。

今は乳飲み子がやっと歩き出したくらいの私ですが、自分の思う「理念」をもとに「計画」を立てて後はそれをひたすら続けていくだけ

計画が合っていれば理想の物件へ近づくし、誤っていたら理想の物件は離れていきます。

そういう緊張感を持ちながら、今後も歩み続けていきたいです。

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-不動産コラム・取材