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不動産投資には知識武装

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賃貸経営に必要なのは正しい知識!
~専業大家が教える各種ポイントと成功の秘訣~

今回は、不動産会社での経験を経て現在専業大家として活躍されている「ヤンチャ大家a.k.aふかぽん」氏に寄稿いただきました。

  • どうして賃貸経営者になろうと思ったのか
  • 物件を選定・購入する際のポイント
  • 賃貸経営のポイント
  • 賃貸経営の成功の秘訣

など、実際に不動産会社を早期リタイアされた貴重なお話いただいています。

地道に誠実に学び続けることが賃貸経営においてとても重要とのこと。

専業大家を目指している方はぜひ本記事を読んで、失敗しない不動産経営を実現してください。

【寄稿者プロフィール】

 やんちゃ    おおや    ふかぽん
ヤンチャ大家a.k.aふかぽん
元不動産会社勤務・現在専業大家

◆プロフィール
1988年生まれ、元不動産屋。
27歳で不動産投資を始め、融資は使わず現金で戸建てを買い進める。
2年半で給料収入を家賃収入が上回り、現在では専業大家へ。

◆主な投資手法
地方のボロ戸建てを安く買い、低予算DIYで再生し、貸出しています。

◆ふかぽんの強み 買付、再生、客付け、契約、管理を自分でやっているので、キャッシュの外部流出が少ないです。
リフォーム等も実益に特化し、スピード重視です。

Twitter:@a_kenyu

賃貸経営者を目指すきっかけと道のり

1冊の本の出会いで不動産に興味を持つ

僕が賃貸経営者になった、そもそものきっかけは『金持ち父さん貧乏父さん』という有名な本を読んだ事でした。

そこには以下の印象的な2文が書いてありました。

お金持ちになるには3つの方法があり、株、不動産、ビジネスの3つである

自分のポッケにお金を入れてくれるモノを買わなければいけない

まだ学生だった僕は、「こんな生き方があるのか!」と稲妻に打たれたようにショックだったことをよく覚えています。

一度読んだだけでは完全に内容を理解する事はできず、何度も何度も繰り返し読みました。

株・ビジネス・不動産の内

  • 不動産は株より身近で現実的
  • 不動産オーナーはかっこいい
  • お金持ちなら不動産投資家

という単純な理由から不動産が1番自分に合っているのではないか、と考え不動産を選びました。

結果的にこの本を読んだことで「賃貸経営者」への道へと歩んでいったことになります。

その後、人生設計で20歳からの10年間不動産を学ぶことを計画。

今日から僕が出来ることはなにか、など大切な事を書き出してできることは実践しました。

実務や資料から「不動産」を学ぶ

目指すと決めてから「まずは内側に入ってみよう」と思い、不動産屋に就職。

ルールやノウハウ、実務を現場で学びはじめました。

また、時間があれば「契約」「不動産投資」に関する本などを片っ端から読みました。

本の中には業界特有の内容が充実しており僕はどんどん知識を吸収していきました。

会社の昼休みや通勤時間、細切れの隙間時間を使い読書に没頭する僕を周りの人は“元々の読書家”と思っていたようです。

そんなある日、会社の先輩から「本を読んでばかりいるけど、なにが楽しいの?」と聞かれました

私は即答で以下のように答えました。

「本は、先人の知恵が文字になって無限に残されている最強のツールなんです。読むだけで自分の糧になり、力になり、簡単に習得できます。
本は素晴らしいですよ。」

それを聞いた先輩は「説得力がありすぎる」と笑っていました。

能動的かつ無限大の学びを得る

文字を読むことは努力しなければならない“能動的”な作業です。

テレビやYouTubeのようにただ見るだけの“受動的”ではないので、嫌いな人も多いと思います。

ですが、本から学べることは無限大です。

一度、本屋の様々コーナーにある自分の知らない世界・分野の本を手に取り、ページをめくって活字に触れてみてください。

成功した人たちや失敗した人たちの全てのノウハウを簡単にしかもすばやく学びとることができます。

【幼い頃は本を読むことが嫌いだった…】上記のとおり読書からいろいろなことを学んでいますが、子供の頃は本を読むのが大嫌いでした。

私は学校で毎日決められていた朝読書の時間を完全に拒否。

そんな私に、当時の担任であった国語の先生が個別指導で「君はこの本を読みなさい。読んで感想を聞かせてね。」と一冊の図書を出しました。

その図書はあの有名なファンタジー小説『ハリーポッター』でした。

この本を読むことにより、紙の上の文字から現実を立体で想像していくという読書の楽しさに気付いたのです。

まさかこれほどまでに読書好きな自分の未来がくるとは、正直びっくりしています。

今でも担任のN先生には感謝してます。

事前調査・内覧について

チェックリストを作成する

私の物件選びは、まずネットで物件情報を閲覧して自分なりの条件に当てはまるものを選別するところからスタート。

その後、問い合わせをして内覧へ向かいます。

初心者の頃は、ちゃんとした自作のチェックリストを持参して抜けがないように物件選びを行っていました。

具体的には以下のような細目チェックリストになります。

【チェックリスト項目 一覧】

■立地
■価格
■賃貸需要
■駅からの距離
■人口や家賃相場

今ではチェックリストは使用せず、買い付けしています。

これは圧倒的な数の内覧をしてきたので、何があっても臆する事なく対応できるようになって初めてできました。

先日もノールック(※)で購入の契約をしたばかりですが、初心者の皆さんはよく物件を見てください。

真似するとひどい目に遭う可能性大なのでおすすめしません。

※図面だけで判断して買い付けを入れること。

積極的に現地に足を運ぶ

購入前事前調査、内覧について初心者の方は積極的に現地へ足を運んだほうがいいです。

  • 図面に載っている事をそのまま信じる
  • 不動産業者さんが言う事を鵜呑みにする

のではなく、現地に赴いてわからないことは営業担当さんに確認しましょう。

現地でなければ分からない事もあります。

【現地で分かること(一例)】

■思ったより静かだったりうるさかった
■養鶏場などが近所にあり臭いがながれてきた
■ビルが近くにあり日当たりが年中悪かった
■大音量で音楽を一日中かけている迷惑なご近所さんがいる
■ぬかるみ、水たまりなどの降雨時の水捌け

など。

図面が記載されていた内容と異なる場合がある

図面に記載されている内容と現地が違うこともよくあります。

インフラが間違っている場合の例としては

  • 公営水道と書いてあったのに実際は井戸ポンプだった…
  • トイレが汲み取りトイレだった・・・・

など、全く違う記載内容の場合もあります。

現況を優先しますと書かれている場合がほとんどですから見落としのないよう注意しましょう。

物件を見に行った数だけ経験値も上がります。

事前調査のポイント

事前調査のポイントを挙げればキリがありませんが、参考までに下記のとおりです。

【確認ポイント】

  • 賃貸需要があるのかないのか
  • 物件はどうなのか
  • 立地はどうなのか
  • 接道はどうか
  • 近くに公共施設はあるのか

室内で言えば、特に水回りの4点(お風呂、洗面台、トイレ、キッチン)にお金がかかります。

これが再利用できるのであれば、リフォーム費用は安価で済む可能性が高いので注意して見てきてください。

この4点を除けば家なんて「木でできた箱」です。

大切なのは水回り!忘れずにしつこく見ること、水を流してみることもしてみてください。

壁、床、天井、階段でさえも、ほとんど材質は木や石膏ボードでホームセンターで買えますのでそれほど高価なものではありません。

壁に貼ってるあるのは糊をつけたただの紙です。

水回りにかかるリフォーム費用に比べたら壁、床などをリフォームする費用はとても安価なことがわかるでしょう。

物件内覧時に見るべきポイント

物件内覧時は以下のポイントをしっかり確認しておいてください。

【確認ポイント】

  • 電気、ガス、水道はちゃんと来ているか
  • 水漏れはないか
  • 排水はどうなっているか
  • テレビは映るのか

できるなら屋根の上に登り、屋根の状態も確認したほうがベター。

ドローンであれば安全できれいな映像を写すことができるので、高所恐怖症の方にはドローン等で撮影するのもお勧めです。

私の場合、2階のある物件ならベランダ等から屋根に降り状態を確認して歩きます。

(近くに電柱があれば電柱をうまく利用して屋根に乗り移り、そこから屋根の状態をチェックしたりもします。)

同時に見れるのであればアンテナ等も確認しておくと良いです。

アンテナが折れていないか、古いタイプのアンテナなのかも見ましょう。

アンテナはしっかり立っていてもブースターが壊れてテレビが映らないという場合もあります。

いろいろなケースがあるので、事前に現状を確認しておけばリフォーム費用を容易に算定できるのでオススメです。

不動産を買う時は物件の事を細かな所まで全て把握しておくことが重要です。

買う前にどのくらい費用がかかるのか、どういったリスクが潜んでいるのかも全て見積もれれば何も怖くないと思います。

ノールック買い付けを入れる私が言うのもなんですが、おすすめはやはり物件をよく見ることです。

物件の購入について

購入する・しない物件のポイント

購入する物件のポイント

今、私が物件選びで注目しているのは

  1. 価格
  2. インフラ
  3. 関東圏内である事

の3点です。

逆に言うと、どんなことが起きても自力で解決できる自信があるので他はそんなに注意して見ていません。

私の場合、下記の条件でも(値段次第ですが)購入します。

【購入する土地・建物の条件】

  • 旗竿地
  • 再建築不可
  • 築古
  • 傾き
  • シロアリ
  • 雨漏り
  • 汲み取り
  • 井戸ポンプ

購入しない物件のポイント

どんな物件でも買いますが、どんなに条件が良くても安くても絶対に買わないものがただ1つ、「事故物件」です。

自分がDIYする事が多い都合上、事故物件は心理的に怖いので嫌です。

こう見えてホラー映画とかも苦手なので、事故物件だけは絶対に買いません。

もし買う事があれば、フル外注で職人さんに任せて仕上げると思います。

最大限慎重に買い付けを検討する

私の得意技「ノールック買い付け」は、場数を踏んで経験値が上がってはじめて出来ることです。

リスクを引き受ける自信も付き、中身の想定ができるようになれば簡単にライバルを出し抜ける強力な破壊技として役に立つでしょう。

物件査定レベルが上がったあなたの必勝法になるかもしれません。

私は定期的に塾も開催し、不動産についての知識を教えています。

内覧時にその物件の全てを把握しようと努力することはもちろん大切ですが、完璧ではありません。

塾では、「初心者のうちは分からないことが一点でもあったら買い付けを入れるのはやめましょう。」と教えています。

不動産業界はちょっとしたミスでも多額の損失を被ったりします。慎重になりましょう。

購入(予算)のルールを決める

「220万円以上は戸建てに出さない」というマイルールも決めていて、それ以上の価格では絶対に買いません。

昨年初めて買った4世帯アパートもマイルールを破らずに購入できました。

不動産投資を始め1軒目がうまくいってくると次の物件を買いたくてしょうがない、いわゆる『買いたい病』が発症。

自分の基準に甘くなりルールをゆるくして、普段なら買わないものにまで手を出したくなってきます…。

この時期はくれぐれも注意して下さい。

同じ道を歩いてきたほぼ全員が経験する過程です。

立ち止まり、この記事を思い出し「マイルール以外のものに手を出さない」よう徹底してください。

賃貸経営の方法について

規模拡大とスキルアップには「自主経営・管理」

賃貸経営では

  • 買付
  • 再生
  • 客付
  • 契約
  • 管理

を私ひとりで行っています。

規模が大きくなってくるとひとりで行うのは非効率ですが、初期段階では全部をひとりで行うことにより

  1. 利益の外部流出を防止して総取り
  2. 潤沢なキャッシュを次の物件に再投資できる

ことになるので、結果的に規模の拡大を早いペースで行う事が可能です。

さらに自分のスキルアップにも繋がります。

一連の流れを理解していれば外注時の費用も想像できるし、お願いしたいところをピンポイントで発注することもできます。

そのほか具体的な指示も伝えられ、原因究明からの問題対処も簡単になるのでメリットは大きいです。

客付募集は柔軟に幅広く行う

客付募集は

  • 現地看板
  • 不動産会社
  • ジモティ
  • 人からの紹介
  • ご近所さん

等で行っています。

上記の方たちからのご紹介、ご案内等により契約から締結まで至るのがほとんど。

直近の割合は「ジモティ」8割、「現地看板、人からの紹介、ご近所さん」が2割という結果です。
※2020年1月現在。

問い合わせ対応には細心の注意を

低価格な家賃設定の物件問い合わせは、クセのある方が多いので注意しましょう。

なかには嘘をついたり、冷やかしの人も多いです。

全てを鵜呑みにせず、リスクを想定して感情的にならず慎重に行動しましょう。

不動産賃貸経営の成功の秘訣

継続的な学習と経験を積む

投資家さんはあくまで投資家さん、実際の現場を知らない方が大半です。

  • 現場の営業マンたちがどういう心理で動いてるのか
  • 入居希望者がどういう心理でお部屋を決めるのか
  • どういう物件がどういう客層にハマるのか

を知らないケースがほとんどです。

地図で見た道を知っているのと、実際にその道を歩いたことがあるのとでは「情報量」が違いますよね。

不動産の場合でもでも同じことが言えます。

  • 的外れなことを言っている不動産投資家さん
  • (正しい知識がないため)机上の空論を鵜呑みにしてしまう初心者の方

も少なからずいます。

私はもともと不動産屋で働いていたので管理、客付募集、案内や契約に関してはプロです。

自分でお客様と接することに関しても何の抵抗もなく、いくつものパターンのクレーム対応で培ったノウハウで毎回冷静に対処を行うことができます。

大家業をやると決めたあの日から、常に勉強してきた知識と積み重ねた経験を最大限活用活かせることが私の優位性であり強みです。

不動産投資の世界へ参入してから約3年で会社員からリタイヤできた理由はここにあります。

不動産業界は知っている、知っていないで勝敗がハッキリ分かれる業界です。

今の私からしてみれば不動産なんて非常に簡単なEasy game。

努力している私たちは簡単に抜きん出ることができます。

“勝てる経営”に必要なのは「考え抜いた戦略」

現代の資本主義社会は「考えない人間/気が付かない人間は知らぬ間にどんどん搾取され、蝕まれていく」というルールです。

これは我々が抜きん出る事が決して悪いことではなく、努力した分は正当評価されるということでもあります。

(私は「Easy game」と言う表現をよく使いますが本気でそう思っています。)

中には新しいもの、新しいアイデアなどを取り入れている大家さんも少しはいらっしますが、全体でみれば少数です。

残念ながら、基本的に知識のない大家さんの大半は

  • 言われるがまま、されるがままに不動産業者の提案を聞く
  • それに沿った特に工夫ない賃貸経営をする

といった結果に落ち着いてしまいます…。

そういった大家さん達が多い中、私たちがしっかり自分の頭で考え抜いた作戦で賃貸経営をしていけば簡単に勝てます!

入居者の視点で考える賃貸経営

「賃貸経営」をもっとラフに入居者さんの立場に立って想像することも重要です。

  1. どういった物件・条件ならどんな人が入りたくなるのか
  2. どういった時に家を探すのか
  3. どのタイミングで契約をするのか

など、常に入居者さんの気持ちを考えていればおのずと答えは見えてくると思います。

しっかりと勉強して正しい知識をつけよう

今回は

  • どのようなきっかけで不動産投資に魅力を感じたか
  • その後どのようにして賃貸経営をしているのかに

ついて簡単にお話いたしました。

まずはしっかりと勉強して正しい知識を身に付け、知識武装した上で投資の世界に入ると良い結果になると思います。

もしも身近に結果を出している“メンター”と呼べそうな存在がいれば、メンターから習い、倣い、不動産投資を行うことをお勧めします。

私の場合メンターがいませんが、もしもメンターがいればさらに早い段階でサラリーマンを辞められていたかもしれません。

不動産投資は一度ミスをすると挽回が厳しい世界です。

まずは1軒目、1棟目ここを踏み外さないように正しい判断で投資を行っていてほしいと思います。

皆さんにとって良い投資ができますように!

最後までお読みくださりありがとうございました。

ふかぽんでした、為せば成る!

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-不動産コラム・取材